総合おすすめ度：9.5点

　おいしさ　　：9.5点　　店員さん：9.5点
　くつろげる度：9.5点　　予約　　：必須

イタリア中で知名度の高い、ミシュランガイド掲載のコスパ抜群でおいしいレストラン

この店の料理は本当にうまいので、食べれば食べるほどもっと食べたくなりますし、ワインにしても素晴らしいものばかりおいているので飲めば飲むほどもっとほしくなります。トリノの中だけではなくて、イタリアの中も相当なレベルの高さなレストランでしょう。その証拠に、ローマやフィレンツェに住んでる美食家のイタリア人も知っているくらいです。
駅からも近いのと、結構カジュアルな雰囲気なので行きやすいです。ただし、知名度などを考えると予約必須です。行くといつも満席です。
2018年からミシュランガイドのビブグルマン部門（コスパのよい素晴らしい店部門）にも掲載されています。

Scannabue(トリノのおいしいレストラン)の料理等写真：FOTO

ガスパチョ	イカとポルチーニ、ほうれん草のスープ	イカのキタッラ
タコの素揚げ、アイオリと豆のペースト	ババ	パン
玉ねぎのスープ	白トリュフのタヤリン	牛肉をバルベーラで煮たブラサート
イチゴのジェラートと、野菜と果物のスープ	エスプレッソとビスコッティ	店内風景
お通しのマッシュポテト	タヤリン、ラグー	カモのソテー
店内風景	店内風景	店内風景
ズッキーニのクリーム	フォアグラ	ジェラートなど
ハウスワイン(ドルチェット	ハウスワイン(バルベーラ)	ハウスワイン(バローロ)

Scannabue(トリノのおいしいレストラン)の料理のレビュー：RECENSIONI

お通しとして出てきました。 一口目に感じるのは、素材の力強さがギュッと濃縮されていることです。 そして、全く水っぽくありません。 イタリア野菜の強い味の力なのか、火を通した形跡は無いにも関わらず、かなり野菜の味で力強くまとまっています。 そして、火を通していないからこそ、非常に軽い食べ口で、そのあとの食事を邪魔しません。

味のアクセントがすごいです。 イカのダシが濃厚で、そこにペースト状になったほうれん草が粘土を与えて、ポルチーニの香りが邪魔しない程度のアクセントを与えています。 特にポルチーニは、入ってるって言われなかったら気付かない程度の、完全に隠し味としていい働きをしています。 料理において、素材のバランスが本当に重要だと思い直すスープです。 どの食材を最も強調したいのか、何を隠し味にしたいのか、食べた後にどういう印象を与えたいのか、などです。

一口食べて、あれ、少し塩気が薄いかもしれない、と思ったところで気づきました。 皿の底に、荒いパン粉をアンチョビとニンニクで味付けしたものがあるのです。 パスタの下にいたのに、全くベチャベチャすることなく、ずっとカリカリ感を保ったままで、驚きました。 具材を考えてみると、変形版というか再構築したプッタネスカのような印象です。 古典料理をこういう形で再構築するのは面白いです。 アクセントがあって、かなりうまいです。

これは一体、何℃のオイルで揚げてるのだろうか、と考えてしまいました。 まわりのカリカリ具合、中身のフワフワ具合のバランスが素晴らしいので、瞬間的に揚げ切らないと無理でしょう。 つまり温度は相当高いと思います。 そして、皿に絵のように書いてある黒いもの、最初はプレゼンテーションとしてのイカスミかと思ったのですが、これも少しだけ磯臭さを与えてくれますし、豆のペーストの甘み、アイオリのほのかなニンニクも効いています。 最終的には、これはタコのうまさと触感を感じるための一皿でした。

旨みがこれでもかという具合に強いオニオングラタンスープ的な位置付けです。 しかし、調理工程で玉ねぎは炒めていないようなので、ちょっと違います。 うさぎのダシ、ブロード、ペシャメルで仕上げてるとのことでした。 ここまで力強くておいしいオニオングラタンスープはそうそう食べられないと思うのですが、それを玉ねぎを炒めずに実現するというのは圧巻の一言です。 トリュフとかかけても良さそうです。

これはタヤリンだけでも相当うまい麺です。 そこに白トリュフが香りを加えることで料理としての軽さを加えてくれていて、ちょっと言葉で表現するのは難しい味です。 バター、タヤリン、白トリュフ…シンプルなだけにそれぞれの素材の味がお互いを高め合っています。 トリュフは熱を加えて、そしてバターや生クリームと合わせると相乗効果がすごいです。

バルベーラの煮詰め方の具合などが天才的なうまさでした。 この料理は、赤ワインで牛肉をサッと煮るだけなだけで、シンプルなだけにかなり腕によって仕上がりがわかれます。 何をすればここまでしっかりトロミとか色々出るんだろうと思うレベルでのとろみでした。 食べれば食べるほどにどんどん食欲が湧いてきて止まらないことを改めて実感できる料理です。

ジェラートになっているイチゴの甘酸っぱさとほんのりとした甘味。 野菜と果物で作ったシロップの甘み。 味という点では、その両者のバランスが素晴らしいです。 そして、デザートのように見えないながら、見た目の美しさも秀逸です

ナポリなどのデザートです。 かなりの量のラムが含まれているのですが、そんなに嫌味なく、むしろ全体を香り高くするのに役立っています。 生クリームも軽い、カスタードもサラサラで相当うまいデザートです。 しかし、含まれているラムの量を考えると当然なのですが、これはさすがに酔います。

モッチモチの自家製タヤリンに、肉を炒めて軽く煮込んだラグーソースをシンプルに合わせたパスタです。 ここまでたくさんの肉がゴロゴロと入ってるのにサラッと食べられるのは、乳化が素晴らしい具合だからです。 これできっちり乳化していなくて分離していたら、重くてなかなか食べきらないでしょう。 改めて硬水がイタリアの調理法に合っていることを実感します。

フレンチでカモは有名ですが、フランスに近いトリノでも頻繁にレストランのメニューに出てきます。 マルサラ酒と鴨のジュを合わせたソースがそこまで味が強くなくて脇役に徹していて、控えめなので最初は物足りないと思ったものの、ポテトの甘みとかトリュフの香りとかと合わせて食べることで完成する味わいです。 鴨はカカオとナッツのペーストで作った甘いソースとも相性バツグンです。

焼き加減が完璧で、フォアグラの重さが全くないから、食べてて軽いのに旨味が強いから力強さもあります。 また、ムースにしたフォアグラとチョコレートに包んだフォアグラも一皿の中に含まれていて、いろいろな調理法のフォアグラを一気に楽しめる。 どの料理法もかなり旨みが強いのですが、少量ずつ目線を変えた調理法なので、最後まで完食できます。 量も味のうちです。

左の柔らかいザバイオーネはザバイオーネのスプーマで、ひたすら軽いです。 コントラストとして真ん中の小さくて柔らかいケーキのソースとしてのザバイオーネは、マルサラとモスカートを含んでいてアルコールが入った大人の味です。 コントラストがあるからいったりきたりして楽しめます。 ジェラートはどれだけヘーゼルナッツ使ったのだろう…と思うほど濃厚ですし、ヘーゼルナッツの量が多くて水分などが少ないので、そこまで温度が下がっていなくて、結果余計にヘーゼルナッツ感が強く感じられます。

Scannabue(トリノのおいしいレストラン)の店舗基本情報：DETTAGLI

Scannabue(トリノのおいしいレストラン)のメニュー日本語訳：MENU